Story
あらゆる時代につながる異次元の酒場、「REUNION」。
そこで働く女性サイボーグのミカ。
彼女はいつから、そしてなぜ自分がここにいるのかを知らない。
彼女の上半身は人間と見分けがつかないが下半身は不格好なブリキ細工の機械だ。店の中を移動するのが精いっぱいで、歩くたびにカチャカチャと音がする。だから初めて店に来た客は、彼女がカウンターから出てくるのを見てぎょっとするのだった。
それでも彼女はいつも笑顔で楽しそうに働いていた。ミカは店にやってきたすべての客と彼らが笑うとっておきの冗談を覚えていた。彼女は人気者だった。店の扉 “GATE” からは、毎晩様々な男たち、女たちが現れ、ミカとの会話を愉しんでいった。
客の中に一人、一風変わった男がいた。彼は自分のことを“ドク”と名乗った。あまり自分のことを話さない男だったが、酒が二杯、三杯と進むと、決まって独り言のようにつぶやいた。
「あんたも昔人間だったんだ」
へえ、そうなの、とミカはいつも返すのだった。 GATEはあらゆる時代につながっている。ドクは昔の自分を知っているのかもしれないと思ったが、彼女は何も覚えてはいなかった。
映画前半のストーリー・登場人物: https://note.com/nekokunjp/n/nbfd0210ebc94